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Backpack、韓国株へ証券事業を拡張へ 現地証券会社との連携で海外向け取引を計画

サムネ


SK証券と提携、韓国非居住の外国人が対象

暗号資産取引所や証券サービスを展開するBackpackは10月29日、韓国の上場証券会社SK証券との戦略的提携を発表しました。利用要件を満たす韓国非居住の外国人投資家に、Backpackアプリを通じた韓国上場株式の取引サービスを提供する計画で、米国証券を扱ってきた同社が韓国市場との接続に乗り出します。

両社の役割は、SK証券が証券の引き受け・発行・販売に関する機能を提供し、Backpackがブロックチェーン基盤、デジタル資産の保管機能、海外利用者基盤を担うというものです。適用法令に従い、商品の組成・発行から保管、海外投資家への販売まで協業するとともに、トークン化証券や実物資産(RWA)分野での連携も視野に入れています。


韓国企業への投資から、韓国市場へのアクセスへ

Backpackには、韓国企業への投資機会を米国市場経由で提供してきた経緯があります。2026年7月10日には、Backpack SecuritiesでSKハイニックスのナスダック上場ADR(米国預託証券)を取り扱うと発表し、同ADRと1対1で交換できるSolana上のトークン「SKHY」も提供しました。ADRは外国企業の株式を基に海外市場で発行・取引される証券で、同社の既存サービスは米国上場証券を入口としていました。

一方、SK証券との提携で対象となるのは韓国上場株式です。計画が実現すれば、Backpackは韓国企業への投資商品を扱う既存の取り組みに、現地の証券会社を通じた取引経路を加えることになります。接続先を韓国市場へ広げるという点で、今回の提携は同社の証券事業を地域的に拡張する動きと捉えられます。


カカオペイ証券も海外流通を模索、広がる事業者間連携

韓国株の海外流通を目指す連携は、他の証券会社でも進んでいます。カカオペイ証券は2026年9月、Ondo Financeと提携し、国際流通の枠組みづくりとトークン化基盤の共同研究に合意しました。初期段階では外国人統合口座を活用して原株の調達・保管体制を整え、将来のトークン化に向けて発行・償還や残高管理の仕組みを研究する計画です。

同月に発表したDinariとの提携では、韓国上場株式の調達とトークン化の実証に向けた検討を進めています。証券とトークンを1対1で対応させる同社の仕組みを応用し、配当や議決権などの取り扱いを含め、海外流通に必要な技術・運用・規制上の要件を調べます。

こうした事例からは、韓国の証券会社が持つ市場機能と、海外事業者の販売網やデジタル基盤を組み合わせる方向性が読み取れます。BackpackとSK証券の提携も、韓国株を海外の利用環境へ届ける経路づくりの一環と位置付けられ、各社が原株の管理と海外顧客へのサービス提供をどう結び付けるかが、事業化を比較するうえでの重要な論点になります。


制度整備を背景に、売買から権利管理までの運用が鍵に

これらの動きを支える制度面の変化として、韓国では2023年12月に外国人投資家の事前登録制度が廃止され、2026年1月には外国人統合口座を開設できる海外金融投資業者の制限も撤廃されました。統合口座は、海外証券会社が韓国の証券会社に自社名義で開設し、顧客の注文・決済をまとめて処理する仕組みです。投資家が韓国に個別口座を設けずに取引できる制度として、ハナ証券と香港のEmperor Securitiesの口座では2025年10月に投資が始まっています。

利用拡大に向けた実務の整備も進み、韓国金融委員会などのガイドラインでは、顧客確認、株主権の行使、取引記録の報告、内部管理が整理されています。韓国株を海外へ届けるサービスには、売買の窓口と、保有資産に伴う権利を管理する体制を一体で運用することが求められます。

Backpackの計画が実現すれば、利用資格を満たす投資家には、同社のアプリから韓国株を売買する選択肢が加わります。その実用性を見極めるうえでは、取引費用や売買時間とともに、株式の保管方法、配当や議決権の取り扱いが確認点となります。市場への接続を、投資家が資産と権利を把握しながら継続利用できるサービスへつなげることが、今回の提携を事業として定着させる課題です。


公式発表:Backpack

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