
既存口座からJupiterのバリデーターを利用
暗号資産の保管・管理を手がけるBitGo Bank & Trust, N.A.と、Solana上の分散型金融(DeFi)プラットフォームJupiterは10月28日、機関投資家向けのSOLステーキングで提携したと発表しました。利用資格を満たすBitGoの顧客は、既存のカストディ口座から「Jupiter x BitGo」バリデーターへSOLを委任し、ネットワークの運営を支えることで報酬を得られます。
BitGoが資産の保管とステーキング機能を提供し、取引の検証などを担うバリデーターはJupiterが独立して運営します。顧客は既存の保管環境と承認手順を継続して利用できるため、別のカストディ事業者との契約や資産移管に伴う手続きを追加せずに、委任先としてJupiterを利用できます。
運営主体と委任方式の両面で選択肢を拡充
BitGoは2025年4月にSOL Strategies、同年7月にHeliusとの連携を発表し、SOLステーキングの委任先を増やしてきました。Heliusとの統合では、BitGoの管理画面から直接SOLを委任する機能を提供しており、今回の提携も、既存基盤を通じて利用できるバリデーターを拡充する流れにあります。
一方、委任先の選び方が異なるサービスも取り入れています。同年4月に統合を発表したMarinade Nativeでは複数のバリデーターが委任獲得を競い、8月に対応したMarinade Selectでは本人・法人確認を経たバリデーター群を利用します。こうした過去の対応と比較すると、Jupiterとの提携は、運営主体や委任方式に応じて運用経路を選べる環境に、DeFi事業者のバリデーター基盤を加えるものと位置付けられます。
Jupiterは取引サービスから機関向け基盤へ展開
Jupiterはトークン交換、無期限先物、レンディングなどに加え、ステーキングを機関向け事業の一つに据えています。同社の機関投資家向けページでは、流動性ステーキングトークン「JupSOL」、ネイティブステーキング、顧客ブランドのバリデーター運営という3方式を案内しています。
同社の最高執行責任者カッシュ・ダンダ氏は、バリデーター運営を、自社の取引・融資サービスを支えるネットワーク基盤への投資と説明しています。BitGoとの提携は、その基盤をカストディ経由で機関投資家に提供する取り組みであり、Jupiterにとっては、自社の取引サービスとは異なる経路でSOLの保有者との接点を広げる意味があります。
運用先の比較では報酬と流動性を確認
ただし、保管体制を維持できても、ステーキングの収益はネットワーク状況やバリデーターの稼働実績などによって変動します。BitGoはJupiterのバリデーター性能を管理せず、停止や性能低下による報酬への影響もリスクとして挙げており、受取額は保証の対象外です。
また、委任したSOLの引き出しには、Solanaのプロトコルに基づくステーキング解除の待機期間が生じます。機関顧客が運用先を比較する際には、手数料を差し引いた報酬と継続的な稼働実績に加え、資金需要に応じて引き出せるかも確認する必要があります。今回の提携の実務的な価値は、既存の承認手順との適合性と、こうした運用条件を併せて評価することで見えてきます。
公式発表:BitGo

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