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米FRB、銀行のステーブルコイン発行に審査基準 償還は原則2営業日以内

サムネ


銀行の参入手続きと、発行後に守る基準を提示

米連邦準備制度理事会(FRB)は9月24日、決済用ステーブルコインを規制する「GENIUS Act」に基づき、2件の規則案を公表しました。銀行が子会社を通じて発行する際の申請手続きと、FRBの監督対象となる発行体の準備資産、資本、償還に関する基準を示したもので、連邦官報への掲載後60日間、意見を募集します。

2025年7月に成立したGENIUS Actは、米国の決済用ステーブルコインに連邦規制の枠組みを設けました。ただ、銀行が発行事業に参入するには、申請方法から承認後の資産管理まで、監督当局が定める具体的な規則が欠かせません。通貨監督庁(OCC)などに続いてFRBが案を示したことで、FRBの監督を受ける銀行にも、発行を計画する際の手順が示されました。

申請手続きの対象となるのは、預金保険に加入する州加盟銀行です。銀行は子会社による発行の承認を求める際、事業計画や財務情報、資本構成などを提出し、発行事業の安全性や経営体制について審査を受けます。FRBは必要事項が実質的にそろった申請を120日以内に判断する枠組みを設けており、承認を受けた発行体には、もう1件の規則案に盛り込まれた運営基準が関わります。


USDCの過去事例が示した、準備資産の保管リスク

発行体には、発行残高と同額以上の準備資産を常時保有するよう求めます。対象は米ドルの現金、一定の預金債権、残存期間93日以下の米国債などに限られ、発行体はこれらを他の資産と分別して管理します。資産の額を満たすことに加え、預け先や取引相手にリスクが集中しないようにすることも必要です。

保管先の重要性を示したのが、2023年のシリコンバレー銀行破綻です。当時、USDCの発行元Circleは準備資産のうち約33億ドルを同行に預けており、FRBも規則案の説明でこの事例を挙げています。裏付けとなる資産があっても、預け先の銀行に問題が起きれば、必要なときに資金を引き出せるかが問われます。そうした不安がステーブルコインの価格にも波及し得るため、準備資産は総額と保管方法の両面から管理する必要があります。

このリスクを踏まえ、規則案は準備資産として保有する預金のうち、預金保険で保護されない部分に2%の資本を求めています。システム障害や不正発行などの業務上の損失に備える資本額には、発行残高のほか、準備資産以外から得た収益や過去の損失実績も反映させます。発行額を資産で裏付ける基準と、発行体自身が損失を吸収するための基準を組み合わせる設計です。


利用者に関わるのは、額面でいつ償還できるか

資産を保全できても、保有者が請求したときに現金を受け取れなければ、決済手段としての信頼は揺らぎます。そこでFRBは、発行体に償還方針の公表を求め、請求日から原則2営業日以内に償還するよう提案しました。本人確認など法令上必要な審査に時間を要する場合には例外を設けるほか、金融システムへの影響などを踏まえてFRBが期限の延長を認める仕組みも示しています。

バーFRB理事は同日の声明で、市場が混乱したときや発行体に負荷がかかったときにも、額面で迅速に償還できることが安定性の条件になると指摘しました。そのうえで、最終規則では保有者の償還権を明確にすべきだとの考えを示しています。2営業日という平時の期限に加え、混乱時に保有者がどのような手続きで発行体へ償還を求められるかも、今後の議論に関わります。

銀行発行のステーブルコインは、既存の決済網でも使われ始めています。9月22日には米SoFi BankとMastercardが、銀行発行の「SoFiUSD」を使ったカード取引の決済を開始したと発表しました。SoFi BankはOCCが監督する国法銀行で、FRBが今回示した銀行子会社向け申請案の対象ではありません。それでも、ステーブルコインの用途が実際の決済へ広がるほど、発行体ごとの償還や資産保全の基準は利用者にとって身近な問題になります。


従来の監督指針から、法律に基づく規則へ

FRBは2023年、州加盟銀行がドル連動トークンを扱う際に「監督上の異議なし」を得る手続きを示しましたが、この指針を2025年4月に撤回しました。今回の提案は、成立後のGENIUS Actに基づき、銀行子会社の発行申請と承認後の監督基準を規則として整えるものです。預金保険に加入していない州法上の預金取扱機関についても、ステーブルコインの発行残高が100億ドルを超えた場合の連邦監督への移行手続きが示されています。

GENIUS Actの施行日は、2027年1月18日か、主要な連邦監督当局が最終規則を公布してから120日後の、いずれか早い日です。それまでの意見募集では、償還期限を市場の混乱時にどう運用するか、預け先の集中や業務上の損失にどこまで備えるかが焦点となります。最終規則は、銀行の発行計画と、利用者が必要なときに額面で換金できる仕組みの双方に影響します。


公式発表:FRB

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