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Hyperliquid言及で浮かんだ国内DEX規制のねじれ 玉木代表の投稿に加納裕三氏が応答

サムネ


玉木氏の成長評価に、加納氏が法令順守の観点から応答

国民民主党の玉木雄一郎代表は2026年4月16日、分散型取引所(DEX)「Hyperliquid(ハイパーリキッド)」を自身のXで紹介し、金融取引のオンチェーン化によって既存の証券会社や取引市場の役割が変わる可能性に言及しました。これに対し、bitFlyer創業者の加納裕三氏が同日、国内事業者に課される規制と海外サービスの運営実態との隔たりを指摘し、DEXの制度上の扱いを巡る議論につながりました。

玉木氏が注目したのは、小規模な開発体制で大きな取引市場を形成したという成長の姿です。一方、加納氏は本人確認やマネーロンダリング対策、ガバナンスなどを問題視しました。両氏のやり取りには、新しい金融インフラの可能性を評価する視点と、そのサービスをどのような責任・監督の下で提供するかという視点の違いが表れています。


オンチェーン取引が変える市場の運営

Hyperliquidは独自のブロックチェーン上に取引基盤を構築し、現物取引と無期限先物取引の注文板を備えています。公式技術文書によると、注文の発注・取消、売買の成立、清算といった処理がオンチェーンで実行される仕組みです。売買注文を照合する機能までブロックチェーンに組み込んでいる点が、金融取引をオンチェーンへ移す事例として取り上げられた背景にあります。

無期限先物は、満期を設けずに価格変動に応じた損益をやり取りするデリバティブです。Hyperliquidでは、買い手と売り手の間で資金調達料を受け渡す仕組みにより、契約価格を原資産の価格に近づけます。こうした市場を理解するには、取引のしやすさに加え、証拠金の管理や清算、参照価格の仕組みにも目を向ける必要があります。取引処理が公開されることと、利用者保護の体制が整っていることは、それぞれ検証すべき論点です。


国内事業者との競争条件をどうそろえるか

加納氏は、日本の暗号資産交換業者によるDEX運営が認められていないとの認識を示し、Hyperliquidの利便性には法令順守に伴う負担を負っていないことが影響していると批判しました。そのうえで、合法として認められるなら自らも開発に参入する意向を述べています。これらの評価は加納氏の見解として、取引の仕組みや法令上の要件と区別して受け止める必要があります。

日本では、暗号資産の売買・交換やその媒介、顧客資産の管理などを業として行う場合、資金決済法に基づく暗号資産交換業の登録が必要になります。また、暗号資産関連の店頭デリバティブ取引を業として行う場合は、原則として金融商品取引法に基づく第一種金融商品取引業の登録が求められます。Hyperliquidのように現物とデリバティブを扱うサービスを論じる際には、取引の種類や事業者が担う機能を分けて、規制との関係を捉える必要があります。

海外に拠点があることも、日本向けのサービス提供に関する規制を免除する理由にはなりません。金融庁は、海外業者であっても日本の居住者を相手に金融商品取引業を行う場合、原則として登録が必要と説明しています。このため、競争条件を巡る論点は、国内で法令対応を求められる事業者と、海外から利用できるサービスとの間で、規制の執行をどう整合させるかという問題として理解できます。


国内で育てるためのルール設計が焦点に

玉木氏は加納氏への応答で、投稿は世界のオンチェーン市場の動向を紹介する趣旨だったと説明し、法令順守を前提に日本のルールを検討すべきとの考えを示しました。さらに4月17日の投稿では、国内事業者のコンプライアンスへの取り組みに敬意を表したうえで、DEXに対応する制度を整え、関連事業を国内に取り込む必要性に言及しています。議論はサービスへの評価から、国内で事業化できる条件の検討へと進みました。

この論点は、従来の政策議論とも重なります。金融庁が2025年10月22日の金融審議会で示した資料では、DEXの開発・設置を行う者と、利用者が接続するアプリなどの画面を提供する者を分けて検討しています。後者については、接続先のリスク説明や本人確認を含むマネーロンダリング対策など、担う機能に応じた規制の可能性を挙げました。DEXという名称で一括りにせず、利用者との接点や管理権限に着目する考え方です。

国内事業者が新しい取引基盤を育てるには、登録や監督に対応できる責任主体を定め、システムの不備や不正利用に対処する体制を具体化する必要があります。同時に、その要件が海外サービスとの競争にどう影響するかも検討課題となります。今後の焦点は、開発者や接続画面の提供者が担う責任を整理し、利用者保護を確保しながら国内でDEX事業を展開できる道筋を示せるかにあります。


公式発表:玉木雄一郎氏 公式X

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