
JMASグループ再編で4月1日付の吸収合併
モバイルアプリやデジタルサービスを開発するアツラエと、法人向けWeb3ソリューションを提供するクリプトリエは2026年3月31日、4月1日付で事業統合すると発表しました。親会社のジェーエムエーシステムズ(JMAS)によるグループ再編の一環で、アツラエを存続会社、クリプトリエを消滅会社とする吸収合併を実施します。
クリプトリエは、NFTマーケティング・プラットフォーム「MintMonster」の提供や、Web3・生成AI領域のコンサルティング、受託開発を手がけてきました。アツラエはモバイルアプリやAI・IoTを活用したシステムの開発、UI/UX設計を展開しており、統合によって両社の専門知見と開発機能を組み合わせる方針です。
企業の技術導入を支援する事業は引き続き展開し、クリプトリエの既存顧客やパートナーとの関係も継続するとしています。法人としての統合とともに、従来のWeb3・AI活用支援をアツラエのプロダクト開発体制へ接続する再編となります。
完全子会社化とAI共同事業を経て統合へ
両社が一体化するまでには、段階的な協業の経緯があります。クリプトリエとJMASは2023年3月に資本業務提携を結び、2025年6月27日にはクリプトリエがJMASの完全子会社となりました。当時から、Web3・生成AI領域の共同開発や、人材・知見の融合を進める方針が示されていました。
その後、アツラエとクリプトリエは2025年10月2日、企業独自のAIシステム構築を支援する「AIオンボーディングコンサルティング」を共同で開始しました。AIの基礎知識の習得、活用アイデアの具体化、業務フローの設計、PoC(概念実証)の開発、リリース後の最適化を、企業の状況に応じて組み合わせるサービスです。
両社はこのサービスで、社員個人のAI活用に伴うノウハウの属人化や作業品質のばらつきを課題に挙げていました。こうした経緯を踏まえると、吸収合併は、資本面と事業面で進めてきた連携を組織面でも深め、企業独自のシステム構築を支える体制へつなげる動きと捉えられます。
MintMonsterの企業内活用が示す開発上の接点
Web3領域では、MintMonsterの具体的な利用例が、統合する両社の接点を考える手掛かりになります。クリプトリエは2025年12月10日、東芝デジタルソリューションズによる社内コミュニケーションやインセンティブ設計の検証に、同プラットフォームを提供したと発表しました。従業員向けサービス「PeCoMe」の社内普及施策で、ミッション機能を使ったNFT発行を試行したものです。
この取り組みでは、東芝デジタルソリューションズの企業向けプライベートブロックチェーン「DNCWARE Blockchain+」を基盤に採用しました。NFTの利用目的に応じて、参加の仕組みとシステム基盤を組み合わせた事例です。企業向けのNFTサービスでは、発行機能に加え、利用者がどのような行動を取り、企業がその結果をどう施策に生かすかという設計が重要になります。
この点で、NFT活用の知見とアプリの画面・操作設計を担うUI/UXの専門性には接点があります。合併によって、NFTの利用目的と利用者の操作を同じ開発体制で検討しやすくなる可能性があります。ただし、東芝の事例は統合前の取り組みであり、合併の効果は、今後の案件で利用者の参加しやすさや導入後の改善にどう結び付くかを通じて見えてきます。
技術検証の先で問われる業務への定着
両社が合併の背景に挙げたのは、AIやブロックチェーンを実際のビジネスで使うために、専門的なプロダクト開発力と、PoCから本番展開までを支える体制を組み合わせる必要性です。統合後はアツラエを中心に、JMASグループのITソリューション基盤も活用し、企画、開発、運用を支援するとしています。
企業が導入を検討する際、PoCで確かめる技術的な実現性と、継続利用に向けた業務上の設計はつながっています。例えば、AIの出力を誰が点検するか、NFT施策の参加状況をどう評価するかまで構想段階で整理できれば、本番導入後に必要な改善も見通しやすくなります。企画と開発を担う組織の統合には、こうした課題を早い段階で共有しやすくする意義があると考えられます。
今後注目されるのは、共同で進めてきたAI導入支援やNFT活用の経験が、企業ごとの業務に合わせた開発へどう生かされるかです。導入企業が運用を続けながらサービスを改善できる案件を積み重ねられるかが、統合後の支援体制の実効性を測るポイントになります。
公式発表:クリプトリエ PR TIMES

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