
1台のスマートフォンで番号を使い分け
KDDIと沖縄セルラーは2026年8月4日、au利用者が1台のスマートフォンで主回線とは別の電話番号を使える「セカンドナンバー」の提供を始めた。月額利用料は550円で、追加した番号から音声通話とSMSを利用できる。
仕事と私生活の連絡先を分けるほか、アプリやオンラインサービス、SNS、イベント応募、趣味の活動などへの登録にも利用できる。主回線の番号を知らせる相手や登録先を絞りながら、用途ごとに連絡先を整理したい需要を想定したサービスとなる。
SMS認証の普及で増える電話番号の用途
スマートフォンの電話番号は通話やSMSの連絡先に加え、アカウント作成時の本人確認やログイン認証にも広く使われている。登録先が増えるほど、どのサービスに番号を伝えたかを把握しにくくなり、営業電話や不要なメッセージが届いた際にも連絡経路を切り分けにくくなる。
KDDIが2026年2月に1万人を対象として実施した調査では、電話番号に関する要望として「プライバシーを保護したい」が最も多く、「仕事とプライベートの連絡先を分けたい」「SNS・各種サービスの登録に使いたい」といった回答も上位に挙がった。セカンドナンバーは通信容量を追加するサービスというより、電話番号の公開先を利用者自身が管理するための機能に軸を置いている。
月額550円で迷惑電話対策も付帯
セカンドナンバーの国内通話料は22円/30秒で、国内SMS送信料は全角70文字まで3.3円/通となる。SMSの受信は無料だが、電話ユニバーサルサービス料や電話リレーサービス料などが別途発生する。
通常月額440円の「電話きほんパック(V)」は無料で付帯し、迷惑電話撃退サービス、お留守番サービスEX、割込通話サービス、三者通話サービスを利用できる。オンラインサービスや仕事上の連絡先として外部へ伝える番号に、着信管理や留守番電話の機能を組み合わせることで、副番号を継続的に使いやすい構成としている。
電話番号の下4桁を指定できる「YOU選番号」にも対応する。セカンドナンバーの新規契約と同時に店頭で申し込むと、通常1,100円の利用料が実質無料となる特典を2026年8月4日から適用する。終了日は未定で、利用開始後に番号を変更する場合は4,950円の手数料がかかる。
災害対策型の副回線とは異なる用途
携帯各社が展開してきた副回線サービスには、通信障害や災害時に別の通信網へ切り替えることを主な目的としたものがある。NTTドコモの個人向け副回線サービスはKDDIの通信網を利用し、音声通話やSMSと月間0.5GBのデータ通信を提供していたが、2026年3月に新規受付を終了し、同年9月30日にサービスを終了する予定となっている。
一方、auのセカンドナンバーは同じau回線上で電話番号を増やし、日常的な連絡先の使い分けに用途を絞っている。データ通信には対応しないものの、迷惑電話対策や留守番電話を標準で組み込み、サービス登録、仕事、趣味などで継続的に利用する番号として設計した。
通信障害への備えを目的とする副回線と、個人情報や連絡先を整理するための副番号では、利用者が求める機能が異なる。KDDIが通話とSMSに機能を限定したのは、通信量よりも電話番号そのものに料金を支払う需要がどこまであるかを探る取り組みともいえる。
対応端末と従量制通話が利用時の注意点
利用できるのは、auの音声通話対応料金プランを契約している個人利用者で、2回線の同時待ち受けが可能なeSIM対応スマートフォンが必要となる。UQ mobile、povo、法人名義の契約は対象外で、申し込みはMy au、au Style、auショップなどで受け付ける。
セカンドナンバーではデータ通信とRCSを利用できず、主回線で契約している通話定額サービスや家族割なども、副番号の通話料やSMS送信料には適用されない。そのため、長時間の発信を繰り返す仕事用回線より、着信、SMS認証、オンライン登録などを中心とした使い方に適している。
eSIM対応端末の普及により、端末を増やさず複数の電話番号を持つ環境は整いつつある。セカンドナンバーは、通信容量や速度を中心に組み立てられてきた携帯料金サービスに、電話番号の管理という新たな課金領域を加えるものであり、利用者が副番号の利便性に月額550円の価値を見いだすかがサービス拡大を左右する。
公式発表:KDDI

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