国内ニュース

Re:lation、EC顧客対応を9チャネルへ拡大 注文情報と問い合わせをAIで接続

komorebi

komorebi

サムネ


分散するECの問い合わせ窓口を一つの業務基盤へ

問い合わせ管理サービスを手がけるインゲージは2026年7月24日、コミュニケーションプラットフォーム「Re:lation(リレーション)」のAI機能「AI社員」が、楽天市場やYahoo!ショッピングを含む9種類の問い合わせ窓口で自動対応を開始したと発表した。モール内のメッセージやSNS、メール、チャットに届く問い合わせをRe:lationへ集約し、単一のAIがチャネルを横断して回答することで、窓口ごとに異なる対応環境を整える負担を軽減する。

対象となるのは、楽天市場の「R-Messe」、Yahoo!ショッピング、LINE、Instagram、メール、Re:Chat、Messenger、Chatwork、ChatPlus。各窓口から届いた問い合わせは一つの受信箱で管理され、チケットの担当者にAI社員を設定すれば、自動回答から有人対応への切り替えまでを同じ画面上で進められる。AIが処理できない案件は、これまでのやり取りと要点を整理して人間の担当者へ引き継ぐほか、AIが作成した回答を担当者が確認してから送信する承認型の運用にも対応する。

EC事業者は自社サイトに加えて複数のモールやSNSを販売・集客に活用するようになったが、それに伴って顧客からの問い合わせも異なる管理画面へ分散し、注文確認や配送状況、返品・交換といった類似の相談を複数の窓口で処理しなければならなくなった。その結果、担当者には問い合わせ内容に加えて、どのチャネルでどの段階まで対応したかを把握する作業も生じており、販売経路の拡大が顧客接点を広げる一方で、回答の遅れや対応漏れ、窓口ごとの案内のずれを防ぐ管理体制が求められている。


Shopify連携で注文データに基づく回答へ

AI社員は、登録された業務マニュアルやサービス情報を参照しながら問い合わせへ回答する。従来のシナリオ型チャットボットでは、想定される質問と回答を事前に登録し、商品や運用方針が変わるたびに内容を更新する必要があったが、AI社員は自然文で作成された既存のマニュアルを読み込み、問い合わせの文脈に応じて回答を生成するため、ナレッジ整備や保守にかかる負担を抑えやすい。

すでにShopifyとの連携に対応しており、AIが顧客の注文情報を参照することで、「注文した商品はいつ届くか」「注文内容を確認したい」といった個別の問い合わせにも回答できる。これまでは担当者がEC管理画面で注文番号や配送状況を確認し、その後に問い合わせ画面へ戻って返信する必要があったが、注文情報の参照と回答作成を一つの流れにまとめることで、確認から返信までの時間短縮が見込まれる。

さらにインゲージは、今後の連携先として各種ECカート、OMS(受注管理システム)、WMS(倉庫管理システム)、企業の基幹システムを挙げており、注文・配送状況や在庫の確認に加え、配送先の変更、注文のキャンセル、返品条件の案内、返品受付の起票、クーポンの利用条件に関する回答まで処理範囲を広げる方針だ。こうした連携は、AIの役割を文章作成やFAQ回答から、注文情報の確認と後続業務の処理へ広げる構想といえるが、現在公表されているShopify連携の中心は注文情報を参照した回答であり、変更やキャンセルを含む実際の処理範囲は接続するシステムや店舗側の運用設定によって異なる。


自動化の拡大で問われる権限と精度

一方、AIが注文情報や個人情報を参照する範囲が広がるほど、業務効率の向上と並行して、回答の正確性や権限管理の重要性も高まる。商品や購入時期によって異なる返品条件、期間限定キャンペーンの例外、配送先変更の締め切りなどが最新の情報へ更新されていなければ、AIが実際の運用と異なる案内を返す可能性があるため、企業側には参照情報を継続的に更新し、回答内容の誤りを確認・修正する体制が求められる。

特に注文のキャンセルや配送先変更、返品受付のように顧客の注文状態を変える処理では、回答文の生成よりも厳格な制御が必要となる。AIが閲覧できる情報と実行できる処理を分け、担当者の承認を必要とする条件を細かく設定したうえで、誰がどの処理を行ったかを確認できる仕組みを整えなければ、利便性の向上が新たな運用リスクにつながりかねない。

発表段階では、回答精度や対応時間の削減幅、有人対応へ切り替えた割合など、導入効果を示す具体的な実績は公表されていない。そのため、9種類の問い合わせ窓口を一つのAIで扱える点は、複数の販売チャネルを運営するEC事業者にとって有力な選択肢となり得るものの、最終的な評価はShopify以外のシステムとの接続範囲と、店舗ごとに異なる業務ルールをどの程度正確に反映できるかによって定まるだろう。


公式発表:インゲージ PR TIMES

Re:lationリレーションインゲージAI社員EC楽天市場YahooショッピングShopify
komorebi

komorebi

このニュースをシェア

コメント

0件のコメント
コメントがありません。