
マイナポータルアプリを更新して提供
デジタル庁は2026年7月28日、マイナンバーカードを使った本人確認や電子署名などに対応する「マイナアプリ」を、同年8月25日から提供する予定だと発表した。現在の「マイナポータルアプリ」に、行政機関や民間事業者のサービスで使われている「デジタル認証アプリ」の仕組みを組み込み、iOSとAndroid向けに提供する。
各アプリストアでは、マイナポータルアプリがマイナアプリへ名称を変える形で配信されるため、すでにインストールしている利用者はアップデートすれば移行できる。別のアプリを新たにダウンロードする必要はないものの、初回利用時には実物のマイナンバーカードを使った登録が必要になる。
二つに分かれていた認証機能を一本化
これまでマイナポータルアプリは、行政サービスへのログインや電子署名、スマートフォン向け電子証明書の設定などに使われてきた。一方、デジタル認証アプリは、企業や自治体が提供するサービスでマイナンバーカードによる本人確認や署名を行う際に利用されており、手続きの種類によって起動するアプリが変わる構成だった。
こうした利用導線を整理するため、統合後はマイナポータルへのログインやe-Taxでの確定申告から、ECサイトの本人確認、オンライン口座開設、公共施設やシェアリングサービスの予約、自治体アプリへの登録まで、共通のアプリから進められるようになる。行政手続きと民間サービスに分かれていた入口を一つにまとめ、マイナンバーカードをオンライン本人確認の共通手段として使いやすくする狙いだ。
スマートフォンで完結する手続きを拡大
マイナアプリは、実物のマイナンバーカードを使った認証や署名に加え、iPhoneのマイナンバーカードやAndroidスマートフォン用電子証明書の設定にも対応する。カード機能をスマートフォンに登録しておけば、対応サービスでは実物のカードを毎回取り出さずに本人確認を進められるため、今回の統合は行政や民間の手続きをスマートフォン上で完結させる環境整備の一環と位置付けられる。
マイナンバーカードの利用は、行政手続きから金融、EC、自治体サービスなどへ広がりつつある。ただ、アプリの名称や操作方法を整理するだけで利用が定着するとは限らず、実際に使える民間サービスが増えなければ、利用者が感じる利便性も限定的になる。統合後はアプリのダウンロード数よりも、対応サービスの拡大や認証利用件数が普及の進展を測る指標となりそうだ。
事業者の改修負担を抑えて移行
現在デジタル認証アプリを使っている利用者は、8月25日以降、認証や署名を行う際、または同アプリを起動した際にマイナアプリへ案内される。デジタル認証アプリは移行状況を踏まえて将来的に提供を終了する予定で、利用者は段階的に新しいアプリへ切り替わる。
一方、サービスを提供する企業や自治体については、既存の認証APIと署名APIの互換性が維持されるほか、マイナポータルアプリの外部インターフェースやマイナポータルAPIを利用するサービスでも、統合に伴う追加開発は原則として不要とされている。利用者向けの入口を変更しながら、導入済みサービスの改修負担を抑えることで、民間事業者が認証機能を継続しやすい環境を整える方針だ。
名称変更を丁寧に伝えられるか
ウェブサービスとしてのマイナポータルは、アプリ統合後も継続する。引っ越しや旅券に関する申請、医療費情報の確認などは引き続きマイナポータルで行い、ログインや署名に使うスマートフォンアプリの名称と機能がマイナアプリへ切り替わる。
ただし、マイナポータルアプリの名称が変わることで、マイナポータル自体が終了すると受け取られる可能性もある。さらに、マイナアプリの利用にはPINや顔認証、指紋認証などの端末ロック設定が必須となり、未設定のスマートフォンでは利用できない。デジタル庁は最終テストの結果によって8月25日の提供予定日を変更する可能性も示しており、円滑な移行には、更新方法やセキュリティー設定、既存サービスとの関係を分かりやすく案内することが欠かせない。
公式発表:マイナアプリ

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