WEB3業界動向

Pacific Meta、グループ実証を軸にAI・ブロックチェーン事業を拡張

サムネ


自社と子会社を活用した成長戦略を策定

ブロックチェーンの実装型コンサルティングを手がけるPacific Metaは2026年4月7日、AIとブロックチェーンを組み合わせた成長戦略を策定したと発表しました。自社の経営プロセスを技術で更新し、その仕組みをグループ企業で検証したうえで、顧客企業のDX支援へ展開する方針です。

同社は、業務オペレーション、財務基盤、経営判断を含む経営プロセス全体を「経営OS」と表現しています。自社ではAIエージェントによる業務の自動化や効率化を進めるほか、社内の経営データを集約して可視化する基盤の構築、ステーブルコインを活用した資産管理にも取り組んでいます。

成長戦略は、自社実践、グループ実証、企業DX支援の3段階で構成されます。新しい技術を顧客へ提案する前に自社で運用し、続いてグループ企業の業務へ組み込むことで、実装や運用を通じて得た知見をコンサルティングへ反映する考えです。


AutoFundを自社資金でテスト運用

自社実践の一つとして、Pacific MetaはAIエージェントを利用した資産運用プロダクト「AutoFund」を開発しています。同社は3月27日、自社資金によるテスト運用を開始したと発表しており、AIがオンチェーンデータを参照しながら、設定された条件の範囲内で資産配分の見直しや取引を実行する仕組みを検証しています。

AIが操作できる資産や金額、取引条件には事前に制限を設け、実行履歴をブロックチェーン上で確認できる設計です。これにより、取引判断と執行の自動化を進めながら、権限管理や監査に必要な記録を残せるかを確かめています。

AutoFundは自社資金を利用した検証段階にあり、一般利用者向けの提供開始時期は示されていません。Pacific Metaは、金融機関や資産運用会社との協業も視野に入れ、金融規制、監査、運用管理に関する論点を整理する方針です。


M&Aでコンサルティングと開発を接続

Pacific Metaは2026年2月、ブロックチェーンの事業構想からシステム開発までを手がけるキリフダの連結子会社化を発表しました。続いて4月6日には、SES事業と受託開発事業を展開するKenpalの全株式を取得し、完全子会社化しています。

キリフダは、金融、エンターテインメント、地方創生などの分野で事業開発とシステム構築を支援してきました。Kenpalは、大手企業や官公庁向けの開発実績を持ち、バイリンガル人材を含む20人のエンジニアチームを抱えています。

両社の参画により、Pacific Metaは戦略策定やトークン設計から、システム開発、運用保守までをグループ内で支援する体制を拡充しました。今回示した成長戦略では、この開発基盤を顧客案件への対応力として利用するとともに、グループ企業そのものをAI・ブロックチェーン導入の実証環境として活用します。

グループ企業への展開では、自社で進める業務自動化やデータ基盤の整備を各社の業務へ適用し、業務プロセスの改善や新規事業の開発につなげる計画です。M&A後の統合過程に技術導入を組み込み、経営効率や事業価値の向上を図るPMIの一部として進めます。


実装経験を企業DX支援へ展開

Pacific Metaは、自社とグループ企業で蓄積した知見を、企業向けのコンサルティングサービスへ反映します。支援範囲として、ブロックチェーン戦略の策定、トークン設計、プロトタイプ開発、業務への導入、運用定着までを挙げています。

AIとブロックチェーンを掲げる企業戦略は抽象的になりやすい一方、同社は自社業務への導入、子会社での検証、顧客支援という順序を明示しました。M&Aで取得した開発体制を顧客案件へ投入することに加え、グループ内の運用を実装事例として蓄積する点に、今回の戦略の事業上の狙いがあります。

今後はAutoFundの開発、グループ企業への経営OSの展開、RWAやセキュリティトークン、ステーブルコインを利用した金融サービスの開発を進める方針です。自社と子会社での検証結果を、企業が実際に導入できるサービスへ落とし込めるかが、Pacific Metaのコンサルティング事業を拡張する基盤となります。


公式発表:Pacific Meta

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