
日本市場の分析と情報発信で連携
Web3事業の戦略策定や海外展開を支援するDeFimansは2026年4月2日、現実資産(RWA)の価格を対象に無期限のデリバティブ取引を提供する分散型取引所「Ostium」と、日本市場での展開に関するパートナーシップを締結したと発表しました。海外のRWA・オンチェーンデリバティブ市場を調査し、日本での受容可能性や制度上の論点を整理するとともに、ユーザーや関係者への情報発信を支援します。
提携の背景には、日本の個人トレーダーによる利用があります。DeFimansの発表によると、日本ユーザーはOstiumの日次取引量の約20〜25%を占め、日本向けのマーケティング施策に先立って利用が広がっていたとしています。取引量の構成比を示す数字として、日本市場が同サービスにとって一定の存在感を持つことがうかがえます。
Ostiumの共同創業者兼CEO、Kaledora Kiernan-Linn氏は、ゴールドやFXへの関心を日本市場の特性として挙げ、DeFimansとの連携を通じて市場理解を深める意向を示しました。すでに生じている利用を踏まえ、サービスの仕組みと国内での位置付けを整理する段階に入る提携と捉えられます。
金や為替の値動きをオンチェーンで取引
Ostiumが扱うのは、金、原油、銀、為替、株価指数などの価格変動による損益です。パーペチュアルは満期を設けないデリバティブで、オラクルと呼ばれる仕組みが外部市場の価格データをブロックチェーン上の取引へつなぎます。ユーザー自身が資産を管理するセルフカストディ方式を採用し、取引の執行にはスマートコントラクトを利用します。
RWAには、現実資産を裏付けとするトークンを保有し、その資産に結び付いた権利を扱うモデルもあります。これに対し、Ostiumは参照価格に応じて取引上の損益が生じる構造で、経済的には差金決済取引(CFD)に近い性質があります。例えば、金価格を対象に買いポジションを持つ場合、損益は値動きに左右され、金の現物に対する所有権を得る取引とは区別されます。
この違いは、RWAという名称からサービスを理解するうえで重要です。同じ現実資産を扱うサービスでも、トークンが表す権利、利益が生じる仕組み、利用者が負うリスクは異なります。Ostiumを評価する際には、対象資産の名称とともに、証拠金、レバレッジ、手数料、清算条件を確認する視点が必要になります。
2024年の公開から続くマクロ市場への接続
Ostiumは2024年10月17日、公開メインネットの開始を発表していました。当初から通貨、商品、株価指数を対象とし、金利や地政学的な出来事で動く市場を、暗号資産ウォレットから取引する構想を掲げています。今回の日本市場での連携は、こうした伝統的な金融市場への接続を軸にした事業展開の延長にあります。
ただし、オンチェーンで執行される取引にも、参照する市場の時間帯が関わります。提携発表時の説明では、FXは週5日・1日24時間、商品は週5日・1日23時間、株式・指数は現物市場に準じた取引時間とされています。Ostiumの価格オラクルの説明も、資産ごとの取引時間や休場日を考慮する設計を示しています。
このため、暗号資産のように週末を含めて連続的に動く市場と、金や為替などを参照する市場との違いが、利用者の理解を左右します。特に休場を挟む価格の変化やポジション保有中のコストは、取引結果に関わる要素です。日本向けの情報発信では、ウォレットからのアクセスの手軽さと、対象市場に応じた取引条件を併せて伝えることが重要になると考えられます。
利用実態と制度をつなぐ情報提供が焦点
国内での展開を考える際には、技術的にアクセスできることと、金融サービスとしての制度上の扱いを分けて整理する必要があります。金融庁は、海外所在の業者でも、日本居住者を相手に金融商品取引を業として行う場合には、金融商品取引業の登録が必要と説明しています。Ostiumに関する具体的な整理では、対象商品や取引の仕組み、関係者の役割に即した検討が求められます。
セルフカストディによって利用者が資産管理を担う一方、取引結果は参照価格やスマートコントラクトの処理にも依存します。レバレッジを伴う取引では、小さな値動きが証拠金に対して大きな損益につながり得るため、価格の取り込み方や清算の仕組みまで説明することが、サービス理解の基礎になります。
DeFimansが担う市場分析と制度整理の意義は、既存の日本ユーザーの関心を、商品構造や利用条件に即した情報へつなぐ点にあります。今後は、金や為替への需要をどのように把握し、取引時間、資産管理、制度上の位置付けを含めた説明へ反映するかが焦点になります。
公式発表:DeFimans

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