
ステーブルコインやトークン化分野で事業機会を開拓
Web3金融コンサルティングを手がけるfinojectと、レイヤー1ブロックチェーン「Kaia」のエコシステム拡大を担うKaia DLT財団は7月24日、日本市場での事業展開に向けた業務提携契約を締結したと発表しました。
両者は、日本のステーブルコイン、トークン化、デジタルアセット分野で事業機会を開拓します。finojectが日本の金融機関やスタートアップとKaiaをつなぎ、国内の金融規制や市場慣行に関する助言を提供し、Kaiaはブロックチェーン基盤とアジア地域のパートナーネットワークを活用して、日本でのサービス実装を支援する方針です。
日本では、2023年6月に施行された改正資金決済法により、一定の要件を満たす法定通貨連動型ステーブルコインが「電子決済手段」として制度化されました。その後、金融機関や事業会社による発行、決済、送金への活用検討が広がっています。韓国でもウォン建てステーブルコインを巡る制度議論や金融機関による実証が相次いでおり、アジアでは法定通貨とブロックチェーンを結ぶ金融基盤の構築が新たな競争領域になりつつあります。
日本の規制知見とKaiaの技術基盤を接続
finojectは、金融ライセンスの取得やAML/CFT体制の構築、ステーブルコイン、セキュリティトークンの商品開発などを支援するコンサルティング会社です。今回の提携では、金融規制と実務に関する知見を生かして日本企業とKaiaの接点を広げ、具体的な事業の創出を後押しする方針です。
ステーブルコインを決済や金融サービスに組み込む際は、資金決済法への対応に加え、発行・償還の仕組み、利用者資産の保全、AML/CFT、権限管理などを一体的に設計する必要があります。海外で検証されたサービスも、そのまま日本で展開できるとは限らず、国内制度や既存の金融・決済網に合わせた調整が求められます。Kaiaの技術とfinojectの規制対応力を組み合わせることで、構想や実証を商用サービスへ移行しやすい環境を整える狙いです。
Kaia DLT財団のソ・サンミン議長は、日本を規制の透明性と市場規模の両面で重要な市場と位置付け、finojectの規制対応に関する知見やネットワークを通じて、日本の事業者と次世代金融インフラを構築したいとの考えを示しました。finojectの三根氏も、KaiaがLINEとKakaoのブロックチェーンを源流に持ち、日本円ステーブルコイン「JPYC」の実装実績を有している点に言及し、日本の事業者とKaiaを結ぶ役割を担うと説明しています。
JPYC対応を事業化へつなげられるか
Kaiaは、LINEが開発した「Finschia」と韓国Kakao系の「Klaytn」が統合し、2024年8月に発足したEVM互換のパブリックブロックチェーンです。決済、送金、外国為替、トークン化資産などのオンチェーン金融を重点分野に掲げ、アジア各国の法定通貨連動型ステーブルコインを同一のエコシステムへ取り込む構想を進めています。
日本では2026年5月、日本円建てステーブルコイン「JPYC」がKaiaに対応し、同チェーン上での発行や償還、送付が可能になりました。韓国でも金融機関とステーブルコインやデジタル通貨に関する実証を進めており、今回の提携は、これまで整備してきた技術基盤を日本企業との具体的なサービスへつなげる段階に入ったことを示しています。
一方のfinojectは同年7月、Datachainと日本のステーブルコイン市場への参入を目指す事業者を支援することで基本合意しました。finojectが制度設計や登録申請、Datachainがシステム設計や開発を担う構想で、規制対応から技術実装までを一貫して支える体制の構築を進めています。Kaiaとの連携も、こうした支援領域をブロックチェーンのエコシステム開拓へ広げる動きと捉えられます。
日本ではステーブルコインの制度基盤が整いつつあるものの、企業や一般利用者が継続的に利用するサービスは立ち上がりの段階にあります。個別の協業企業や対象サービス、提供時期は公表されておらず、今後は決済や送金、トークン化資産などの用途を具体化し、金融機関や事業会社を巻き込んだ商用事例を生み出せるかが焦点となります。JPYCへの技術対応を実際の利用拡大へ結び付け、技術基盤の整備から商用サービスの創出へ移行できるかが、Kaiaの日本戦略における次の課題となります。
公式発表:Kaia PR TIMES

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