WEB3業界動向

Telegram、自己管理型Gramウォレットを今夏導入へ 10億人超の利用基盤に暗号資産送金を統合

センチメンタルな岩狸

センチメンタルな岩狸

サムネ


Telegramの各アプリにGramウォレットを搭載

Telegram創業者のPavel Durov氏は7月21日(日本時間22日)、自己管理型の暗号資産ウォレット「Gram Wallet」を今夏にTelegramの各アプリへ導入する方針を、自身の公式Telegramチャンネルで明らかにしました。Durov氏は、10億人を超えるユーザーが暗号資産を即時かつ手数料ゼロで送金できる環境を提供すると説明し、人類史上最大規模の自己管理型ウォレット展開になるとの見方を示しています。

自己管理型ウォレットは、サービス運営者に資産管理を委ねず、利用者が秘密鍵や復旧手段を管理する仕組みです。取引所などの第三者を介さずに暗号資産を保有・送金できる一方、秘密鍵やリカバリーフレーズを失った場合には、資産へアクセスできなくなる可能性があります。

Durov氏は、新たなウォレットをTelegramの各アプリに組み込む「ネイティブ」な機能として説明しています。日常的に利用するメッセージアプリへ自己管理型ウォレットを配置することで、専用アプリの導入や外部サービスへの移動を減らし、Telegram上からGramを送受信できる環境を整える構想とみられます。


既存ウォレットとの整理が利用体験を左右

Telegram内ではすでに、「Wallet in Telegram」を通じて暗号資産関連サービスが提供されています。同サービスには、事業者が利用者の資産を管理するカストディアル型の「Crypto Wallet」と、利用者が鍵を管理する自己管理型の「DeFi Account」があり、DeFi AccountはTONブロックチェーン上の暗号資産やNFTの管理、送金、交換、分散型アプリとの接続などに対応しています。

一方、Durov氏の投稿では、新たに予告されたGram Walletが既存のCrypto WalletやDeFi Accountとどのように連携するのか、詳しい説明は示されませんでした。既存サービスをTelegramの全アプリへ拡張するのか、別の操作画面や仕組みを設けるのかによって利用者の導線は変わるため、正式提供に向けたサービス構成の整理が注目されます。

GramはTONブロックチェーンのネイティブ暗号資産で、従来はToncoinの名称で流通していました。Durov氏は2026年6月、ToncoinをGramへ改称する方針を公表し、名称とティッカーはToncoin(TON)からGram(GRAM)へ変更されています。ブロックチェーン自体はTONの名称を維持しており、暗号資産とネットワークの呼称を分ける形となっています。

Telegramの各アプリからGramを直接送受信できるようになれば、利用者が外部ウォレットを準備したり、長いウォレットアドレスを入力したりする場面を減らせる可能性があります。ただし、既存のDeFi AccountもTelegram上の連絡先を利用した送金に対応しているため、新たなGram Walletが操作手順や利用条件をどこまで簡略化するかが、既存機能との差を示すポイントになります。


GRAM価格が上昇、手数料ゼロの仕組みに注目

Durov氏の投稿後には、GRAM価格が上昇したと複数の暗号資産メディアが報じました。BeInCryptoは投稿後の24時間で8%を超えて上昇したと伝え、Decryptも発表を受けて約7%値上がりしたと報道しています。ただし、暗号資産価格は市場全体の動向や流動性など複数の要因によって変動するため、値上がりのすべてをウォレットの発表に結び付けることはできません。

Durov氏の発表は今夏の導入方針を示す予告にとどまり、正式な提供日、対象国、対応する暗号資産、秘密鍵の保管・復旧方法、利用条件などの具体的な仕様は今後案内される見通しです。また、同氏は即時かつ手数料ゼロの取引を掲げていますが、ネットワーク手数料を誰が負担するのか、無料の対象がTelegram利用者間の送金に限られるのかといった運用方法も示されていません。

既存のDeFi Accountでは、TONブロックチェーン上で処理する取引にネットワーク手数料が発生し、完了した送金は原則として取り消せません。そのため、新たなGram Walletがオフチェーン処理や手数料の代理負担を採用するのか、既存のオンチェーン送金を簡略化するのかによって、利用者が受ける利便性や注意点も変わります。

10億人を超える利用者基盤を持つTelegramへの導入は、自己管理型ウォレットを暗号資産に詳しくない層へ広げる試みとなります。正式提供に向けては、既存ウォレットとの統合方針に加え、対応地域、本人確認の条件、資産復旧の設計、手数料を抑える仕組みが明らかになることで、メッセージアプリを通じた暗号資産送金の実用性がより具体的に見えてきます。


公式発表:Pavel Durov 公式Telegramチャンネル

Web3TelegramGramTON暗号資産ウォレット自己管理型ウォレットノンカストディアルPavelDurov
センチメンタルな岩狸

センチメンタルな岩狸

このニュースをシェア

コメント

0件のコメント
コメントがありません。