WEB3業界動向

TEM Technologies、ポイントをPCゲーム決済へ 「Blsqui SDK」でステーブルコイン活用を支援

センチメンタルな岩狸

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サムネ


Unreal Engineなど複数の開発環境に対応

TEM Technologies Co.合同会社は2026年8月3日、eスポーツウォレット「Blsqui」と連携するゲーム開発者向け決済ツール「Blsqui SDK」を発表しました。ネットショッピングなどで付与されるポイントをブロックチェーン上のステーブルコインとして扱い、PCゲームの購入やゲーム内決済へ利用できる仕組みを提供するとしています。

対応環境はUnreal Engine、Unity、Godotで、Webアプリケーション向けのAPIも用意されます。同社によると、開発者は決済処理を呼び出すコードを追加することで、ウォレット、決済画面、スマートコントラクトを使った支払い機能をゲームへ組み込めます。発表に合わせ、Unreal Engine 5で制作した格闘ゲームにポイント連携型ステーブルコインと暗号資産決済を導入したデモも公開されました。

鍵管理にはMPC-CMPを採用し、スマートコントラクトや決済画面の表示情報は「FLIX」で管理します。外部のブロックチェーンAPIから取得した情報もCDN Functionsを通じてゲーム側へ渡す設計とし、TEM Technologiesは、開発者がブロックチェーン処理を個別に構築する負担を抑えられると説明しています。


ブロックチェーンゲームが抱えてきた利用障壁

ブロックチェーンゲームでは、NFTや暗号資産を活用し、ゲーム内アイテムをプレイヤーが保有したり、外部で取引したりする仕組みが導入されてきました。一方、ゲームを始める前にウォレットを作成し、秘密鍵を管理したうえで暗号資産やネットワーク手数料を準備する必要があるため、一般的なPCゲームより利用開始までの手順が複雑になりやすいという課題があります。

さらに、独自トークンの価格やNFT売買が強く打ち出されると、ゲーム内容や継続的なプレイよりも、資産価値や収益性へ関心が集まりやすくなります。ブロックチェーンを採用したゲームが幅広い利用者へ届くには、技術や投資性を前面に出すより、既存ゲームに近い操作で決済やアイテム購入を完了できる環境が重要になります。


ポイントを暗号資産決済の入口に

Blsqui SDKが掲げる「Point-to-Point」は、日常の買い物で蓄積したポイントを、ゲーム内で利用できるステーブルコイン決済へ接続する考え方です。一般的な暗号資産決済では、利用者がウォレットを用意し、支払いに使うトークンを入手してから決済へ進みます。これに対しBlsquiは、すでに保有するポイントを入口に据えることで、ブロックチェーンに慣れていない利用者も参加しやすい導線を構築しようとしています。

対応資産には、ポイントを基盤とするステーブルコインと、Flowブロックチェーンのネイティブ通貨「FLOW」が挙げられています。米ドル連動型ステーブルコインのUSDCとPYUSDにも今後対応する予定で、決済代金はプレイヤーのウォレットからパブリッシャーの受取用ウォレットへ直接送られます。

利用者はFace ID、Touch ID、パスキーなどを使って取引を承認できます。TEM Technologiesは、決済画面の利用料を無料とし、対応するゲームエンジンでは利用者がガス代を負担しない仕組みを掲げるほか、直接送金によってパブリッシャーが売上の100%を受け取れると説明しています。


Unity向け基盤から一般的なPCゲームへ展開

Blsquiは2026年6月、Unityゲームからウォレットを呼び出し、代金の受け取りやアイテム配布などを組み込む開発ツール「Blsqui Engine(blsqui-cli)」の提供を開始しました。Blsqui SDKでは対応環境をUnreal EngineやGodotへ広げ、ウォレット接続、決済画面、スマートコントラクトの導入工程を一つの開発手段にまとめています。

Unreal Engineは、高品質な3D表現を用いるPCゲームや家庭用ゲームの開発でも広く採用されています。そのため、同エンジンへの対応は、小規模なWeb3ゲームに対象を限定せず、既存のPCゲームを開発する事業者にも導入範囲を広げる動きと捉えられます。

複数の主要ゲームエンジンへ対応することで、ブロックチェーンを中心に据えていないゲームにも、ポイントやステーブルコインによる支払いを追加できる余地が生まれます。BlsquiはWeb3ゲームを独立した市場として切り分けるより、一般的なゲーム体験の中へブロックチェーン決済を取り込む構想を示しています。


ポイント経済圏をゲーム内消費へ広げられるか

Blsqui SDKは、ブロックチェーンゲームが抱えてきた決済手順の複雑さに対し、ポイント、パスキー、ガス代を利用者に意識させにくい設計を組み合わせました。暗号資産を新たに購入する手順を減らし、日常の消費でためたポイントをゲーム内の支払いへつなげることで、一般利用者との接点を作ろうとしています。

この仕組みが普及すれば、ゲーム会社は新たな決済経路を持ち、ポイント事業者も保有ポイントの利用先を広げられます。そのため、Blsqui SDKの事業的な価値は、技術機能の多さよりも、ゲームとポイントサービスをどこまで具体的に結び付けられるかによって決まります。

TEM Technologiesが商用事例を積み上げ、利用者がブロックチェーンを意識せずに決済できる環境を整えられれば、Blsqui SDKはWeb3ゲーム向けの開発ツールを超え、ポイント事業者とゲーム会社を結ぶ新たな決済モデルへ発展する可能性があります。


公式発表:TEM Technologies PR TIMES

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