
MSSEとMSOLが米国市場で取引開始
モルガン・スタンレー・インベストメント・マネジメント(MSIM)は2026年7月28日、イーサの価格に連動する「Morgan Stanley Ethereum Trust」(NYSE Arca:MSSE)と、ソラナの暗号資産SOLを対象とする「Morgan Stanley Solana Trust」(NYSE Arca:MSOL)をローンチしたと発表しました。両商品は上場投資商品(ETP)としてNYSE Arcaに上場し、同日から取引を開始しています。
MSSEは「CoinDesk Ether Benchmark 4PM NY Settlement Rate」、MSOLは「CoinDesk Solana Benchmark 4PM NY Settlement Rate」をそれぞれ参照し、イーサとSOLの価格動向への連動を目指します。投資家は暗号資産の秘密鍵を自ら保管する必要がなく、一般的な証券口座を通じて両資産の値動きに連動する上場証券を売買できます。
両商品の経費率は年0.14%に設定されました。MSIMは2026年にビットコイン連動商品「Morgan Stanley Bitcoin Trust」(MSBT)を投入しており、MSSEとMSOLの追加によって、ビットコイン、イーサ、SOLを対象とする暗号資産ETPをそろえたことになります。これにより、MSIMが運用する全22本のETF・ETPのうち、暗号資産関連商品は3本となりました。同社のETF・ETP全体の運用資産総額は140億ドルを超えています。
保有資産の一部をステーキング
MSSEとMSOLは、信託が保有するイーサまたはSOLの一部をステーキングし、ネットワークから得た報酬を商品の価値に反映する仕組みを採用しています。MSIMは、両ETPから発生するステーキング報酬の一部を自社の収益として留保しない方針を示しました。その運用を支えるステーキング基盤の提供事業者には、Figmentが選ばれています。
Figmentは、運用費用などを控除した報酬の約95%が株主に帰属する見込みだと説明しています。こうした設計を採用したことで、MSSEとMSOLは、米金融大手傘下の資産運用会社が取引開始時からステーキングを組み込んだイーサ・SOL連動ETPの事例となります。
SECに提出された登録届出書によると、MSSEは通常の市場環境で保有するイーサの50~80%程度をステーキングする方針です。一方、MSOLは運用や償還に必要な流動性を確保したうえで、保有するSOLの最大100%をステーキングの対象とします。ただし、実際の比率は償還需要や市場環境、ネットワークの状態、規制上の懸念などに応じて調整される可能性があります。
米国では2024年に現物イーサ関連商品が上場しましたが、当初の主要商品にはステーキングが組み込まれていませんでした。これに対し、MSSEとMSOLは取引開始時からステーキングを導入しており、価格への連動に加えてネットワーク報酬を商品価値へ反映する点が、既存商品との比較項目になります。
証券口座から投資できる一方で固有のリスクも
ETPを利用する投資家は、秘密鍵の管理やバリデーターの運用、ステーキング報酬の計算を自身で行う必要がありません。一方で、投資家が保有するのはイーサやSOLそのものではなく、各信託の受益持分を表す上場証券であるため、市場の需給や取引環境によっては、取引価格が1口当たりの純資産価値を上回るプレミアム、または下回るディスカウントが発生する可能性があります。
規制面では、両信託は1940年投資会社法に基づく登録投資会社に該当せず、同法の対象となる一般的な投資信託やETFと同一の保護は適用されません。運用面でも、原資産の価格変動に加え、カストディ、ネットワーク障害、ステーキング資産をすぐに引き出せない流動性上の制約、バリデーターの問題に伴う損失などがリスクとして挙げられています。
MSSEとMSOLの上場により、モルガン・スタンレーは証券市場で提供する暗号資産商品の対象をビットコインからイーサとSOLへ広げました。今後は0.14%の経費率に加え、商品価値へ実際に反映されるステーキング報酬や売買の流動性、純資産価値との乖離、競合商品との資金流入の差が、両商品の定着を左右することになりそうです。
公式発表:Morgan Stanley

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