
PLT Placeを刷新しαU marketの作品を受け入れ
HashPortは2026年7月30日、NFTマーケットプレイス「PLT Place」を「HashPort Market | αU」へ刷新し、8月18日から提供すると発表しました。KDDIが運営する「αU market」のクリエイターとNFT作品についても、7月30日から新サービスへの移行受け付けを開始しています。
新たなマーケットプレイスでは、従来のクレジットカード決済を維持しながら、日本円建てステーブルコイン「JPYC」による支払いに対応します。Polygonの追加やNFTの二次流通、対象ウォレットでのガス代負担も盛り込み、名称変更にとどまらないサービス基盤の再編を進めます。
αU marketは、KDDIがメタバースやNFTなどを扱う「αU」ブランドの一環として展開してきたサービスです。今回の移行によって、HashPortは自社が運営してきたPLT Placeの機能にαU marketのクリエイターや作品を取り込み、販売、決済、保管をつなぐ環境を構築します。
ステーブルコインの利用先をNFT市場へ広げる
今回の刷新で重要なのは、HashPortがステーブルコインを保有・送金する手段として扱う段階から、商品やサービスの購入に使う決済手段へ広げようとしている点です。日本では改正資金決済法の施行後、ステーブルコインを発行・流通させる制度が整備され、事業者による商用サービスへの導入が進み始めています。
HashPortも2026年7月、KDDIやローソンと共同でステーブルコインを使った店舗決済の実証を発表しました。実店舗での利用可能性を検証する一方、HashPort Market | αUではEC領域に近いNFT購入へJPYCを組み込み、異なる利用場面で決済基盤の運用を進めることになります。
JPYC決済には、HashPortが事業者向けに展開する「HashPort Payment Platform」のEC決済機能が採用されます。同社によると、同機能がサービスへ導入されるのは初めてであり、マーケットプレイスは決済基盤を実際の取引へ接続する最初の事例となります。
JPYCは日本円に連動するステーブルコインのため、利用者はNFTの価格と支払額を円ベースで把握しやすくなります。ただし、利用にはJPYCの入手や対応ウォレットの準備が必要になるため、クレジットカードを残した構成は、暗号資産の利用経験が異なる層を同じサービスへ取り込む狙いがあると考えられます。
Polygonと二次流通で作品の販売経路を拡張
HashPort Market | αUはPolygonに対応し、取り扱うNFTや参加クリエイターの拡充を図ります。Polygonは国内外のNFTサービスで利用されており、αU marketも2023年の提供開始時から同チェーンを採用してきました。新サービスが同じ環境を引き継ぐことで、既存作品の移行を進めながら、外部プロジェクトを受け入れやすい構成を整えます。
さらに、クリエイターから作品を購入する一次販売に加え、利用者同士が保有するNFTを売買する二次流通にも対応します。JPYCとクレジットカードを二次流通でも使える設計により、購入時と再販売時で大きく異なる決済方法を用意する負担を抑え、マーケット内で取引を継続しやすくします。
NFT取引では、ブロックチェーン上の処理にガス代が発生する場合があります。HashPortは一部の対応ウォレットを対象に購入・出品時の費用を負担する方針で、利用者が暗号資産を別途準備する場面を減らします。対象となるウォレットや取引条件については、サービス開始後の案内を確認する必要があります。
マーケット単体から決済・ウォレットを含む利用環境へ
HashPortは今後、「HashPort Wallet」と新サービスの連携を順次強化します。au Coincheck Digital Assetsがau PAYのミニアプリとして提供を予定するノンカストディアルウォレットとの接続も計画しており、NFTとステーブルコインをウォレットとマーケットプレイスの間で利用できる環境を整える方針です。
これまでのNFTサービスでは、購入、保管、再販売を別々の画面やウォレットで操作するケースが多く、サービス間の移動が利用者の負担になっていました。HashPort Market | αUは、マーケットプレイスに決済基盤とウォレットを接続し、一連の操作を連続した体験として提供しようとしています。
一方、NFT市場では取引量の減少や投機需要の後退が続き、新しい決済方法を追加するだけで利用が大きく伸びるとは限りません。作品の内容や保有特典、二次流通の需要に加え、JPYCの入手方法やウォレット操作が分かりやすく設計されるかも、継続利用を左右します。
8月18日の提供後は、αU marketからどの程度の作品とクリエイターが移行するかに加え、JPYCとクレジットカードを併用する仕組みがNFT購入の負担をどこまで軽減できるかが焦点となります。HashPortにとっては、自社の決済基盤をNFT市場で定着させ、店舗やECを含むほかのサービスへ展開できるかを見極める最初の商用事例となりそうです。
公式発表:HashPort

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