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Ondo Finance、独自L1構想を転換 「Ondo Network」でRWA取引市場の構築を加速

センチメンタルな岩狸

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サムネ


Ondo Perpsを支える取引実行レイヤー

現実資産(RWA)のトークン化事業を手がけるOndo Financeは7月27日、金融市場向けの取引実行レイヤー「Ondo Network」を発表しました。同ネットワークはすでに稼働しており、株式やETF、商品などを参照するパーペチュアル先物取引プラットフォーム「Ondo Perps」の基盤として利用されています。

Ondo Networkでは、注文照合や証拠金管理、清算といった速度と秘匿性が求められる処理をTEE(信頼できる実行環境)内で進め、資産移転はパブリックブロックチェーン上で決済します。すべての処理を公開台帳上で行う場合、複数ノードによる合意形成が遅延につながるうえ、注文やポジションの情報も外部から把握されやすいため、取引執行と決済を分離することで中央集権型取引所に近い処理性能とノンカストディアルな資産管理の両立を図っています。

コードの承認と資産移転に必要な鍵の管理は、複数の独立運用者で構成されるアテスターが担います。アテスターが事前に承認されたコードを確認し、鍵を分割して保有することで、単独の運用者が未承認コードを実行したり、独自に資産を移動させたりするリスクを抑える構造です。


Ondo Chain構想を実用重視へ転換

今回の発表で重要なのは、Ondoが2025年に公表した金融向けレイヤー1ブロックチェーン「Ondo Chain」の構想を見直した点です。Ondo Chainは当初、RWAの発行、取引、決済などを一つの独自チェーン上で支える計画でしたが、Ondo Perpsの開発と顧客との対話を進める中で、高性能な金融取引を実現する際の主要な制約は決済より取引執行にあるとの判断に至ったといいます。

その結果、Ondoは独自L1上にすべての機能を集約する方針を改め、執行はTEE、コードと鍵の管理はアテスター、資産移転は既存のパブリックブロックチェーンという役割分担へ移行しました。Ian De Bode CEOはOndo NetworkをOndo Chainの進化形と説明しており、両基盤を並行して運用する予定はないとしています。

この転換は、独自チェーンを保有すること自体より、金融商品を実際に取引できる環境を優先した判断と捉えられます。一方で、当初掲げたフルスタック型のブロックチェーン構想を修正したことも事実であり、Ondo Networkが実用性を重視した再設計として市場に受け入れられるかは、今後の取引実績によって評価されることになります。


RWA市場は発行後の活用を競う段階へ

Ondoが取引実行基盤の整備を急ぐ背景には、RWA市場の競争軸が資産の発行から、発行後の取引や担保利用へ移りつつあることがあります。トークン化された株式や債券を発行しても、保有したまま動かなければ流動性や資本効率は高まりません。そのため、市場では発行額や対応資産数に加え、トークン化した資産をどのように取引、融資、デリバティブへつなげるかが重視され始めています。

Ondo Perpsでは、トークン化株式などのRWAを担保として利用しながら、株式や指数、商品に連動するパーペチュアル先物を取引できます。これによりOndoは、トークン化商品を発行して保有機会を提供する事業から、保有資産を担保として再利用し、取引へ循環させる市場の構築へ事業領域を広げようとしています。

この構造が定着すれば、Ondoはトークン化商品の供給者にとどまらず、現物資産の発行、担保管理、デリバティブ取引を一体的に支えるオンチェーン金融市場の運営者へ近づきます。高速な取引基盤そのものはすでに複数存在するため、Ondo Networkの競争力は処理速度のみで決まるものではなく、自社が提供するRWA商品を担保や流動性として取引市場へ組み込める点にあります。


高速処理と外部検証の両立が課題

一方、Ondo Networkは取引速度と秘匿性を優先し、コード実行を単一の高性能エンクレーブで進めるため、一般的なパブリックブロックチェーンとは異なる信頼構造を採用しています。複数ノードが同じ処理を再実行して結果を確認する仕組みではないため、利用者はハードウェア、運用者、アテスター、取引ログの検証方法を一定程度信頼する必要があります。

Ondoは今後、アテスター参加の拡大、外部ウォッチャーによるログ監視、決済後の状態をオンチェーンへ記録する仕組みなどを導入する方針です。ただし、これらは段階的な整備項目であり、どの程度の第三者検証が可能になるかは運用開始後の設計と実績を確認する必要があります。

Ondo Networkの評価を左右するのは、新たな技術基盤を発表したこと自体より、Ondo Perpsが継続的な取引量と流動性を確保し、利用者が資産を自己管理したまま安定して取引できる環境を構築できるかです。高速な非公開執行と外部からの検証を両立できれば、OndoはRWAを発行する事業者から、トークン化資産を実際に運用する金融市場インフラ事業者へ進むことになります。


公式発表:Ondo Finance

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