
Tetherがセルフカストディ型ウォレット「tether.wallet」をローンチ
ステーブルコインUSDTの発行を手掛けるTetherは4月14日、セルフカストディ型ウォレット「tether.wallet」をローンチしました。ユーザー自身が秘密鍵を管理する設計で、USD₮、USA₮、XAU₮、Bitcoinを1つのアプリから扱えます。
Tetherはこれまで、流動性や決済、送金などデジタル資産を支えるインフラ側を中心に事業を展開してきました。同社によると、2026年3月時点でTetherの技術は世界5億7,000万人以上に利用されています。tether.walletの投入によって、これまで基盤として提供してきた仕組みを一般ユーザーが直接利用できる製品へ広げる形となります。
ガストークン不要でUSDTやBitcoinを送受信可能
公式発表によると、tether.walletではUSD₮、USA₮、XAU₮、Bitcoinを管理できます。ローンチ時点では、USD₮とXAU₮がEthereum、Polygon、Plasma、Arbitrum、USA₮がEthereumに対応します。BitcoinはオンチェーンとLightning Networkを利用できます。
送金時には、別のネットワーク手数料用トークンをあらかじめ用意する必要がなく、手数料を送信する資産から支払える仕組みを採用しました。暗号資産の送金では、利用するネットワークに応じてETHなどのガストークンが必要になるケースがあります。Tetherはこうした操作上の複雑さを減らし、日常的な送金に利用しやすい設計を目指しています。
ユーザー名送金やローカル署名にも対応
tether.walletには、長いウォレットアドレスに代わり、「name@tether.me」のような識別子を使って資産を送れる機能も用意されています。取引の署名はユーザーの端末上で実行され、秘密鍵とリカバリーフレーズは利用者が管理します。
ウォレットはTetherが開発するオープンソースのWDK(Wallet Development Kit)を基盤に構築されています。TetherはWDKを、人間や機械、AIエージェントがセルフカストディ型ウォレットを構築・利用するための開発基盤として展開しています。tether.walletでは、その技術を一般利用者向けのアプリへ落とし込んだ形です。
インフラ提供から一般ユーザーとの接点へ
注目されるのは、世界最大規模のステーブルコインを発行するTether自身が、ユーザーと直接接点を持つウォレットを提供したことです。ユーザー名による送金や手数料処理の簡略化は、ブロックチェーンやガストークンを意識する場面を減らす方向に働きます。
Tetherは初期リリース後に複数のブロックチェーンを追加する方針も示しています。USDTを中心とする既存の決済・送金インフラにセルフカストディ型ウォレットが加わったことで、Tetherが発行・インフラ領域から一般ユーザー向けサービスへ接点を広げていく動きとしても注目されます。
公式発表:Tether

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