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金融庁、暗号資産管理システム事業者に事前届出制を検討 DMM Bitcoin流出で浮上した課題

サムネ
金融庁が暗号資産管理のルール見直しへ


暗号資産の管理を支える外部システムにも規制を検討

金融庁は、暗号資産交換業者に重要な管理システムを提供する外部事業者について、行政への事前届出を求める制度を検討しています。暗号資産の不正流出を防ぐため、交換業者の内部に加え、その管理を支えるシステム提供者まで監督の範囲を広げる考えです。

金融審議会の暗号資産制度に関するワーキング・グループでは、届出事業者にシステムの安全性確保などを求め、必要に応じて行政が直接実態を把握し、是正措置を命じられる仕組みが示されています。交換業者が外部システムを利用する際、届出済みの事業者から提供を受ける仕組みも検討されています。


DMM Bitcoin流出で浮かんだサプライチェーンのリスク

制度見直しの背景には、近年相次ぐ暗号資産の不正流出があります。2024年5月にはDMM Bitcoinから4,502.9BTC、当時約482億円相当が流出しました。警察庁などの調査では、北朝鮮を背景とするサイバー攻撃グループ「TraderTraitor」の関与が特定されています。

攻撃では、DMM Bitcoinにウォレット関連システムを提供していたGincoの従業員が標的となりました。攻撃者は従業員のアクセス情報を悪用して通信システムへ侵入し、その後、DMM Bitcoin側の正規取引リクエストを改ざんしたとされています。交換業者の社内設備を守る対策に加え、外部委託先を含むサプライチェーン全体の安全性が問われる事例となりました。


「ウォレット事業者すべてが規制外」という意味ではない

日本では暗号資産交換業者に登録制が導入されており、他人のために暗号資産を管理するカストディ業務も規制対象に含まれています。利用者の関与なしに暗号資産を移転できる秘密鍵を事業者が保有するケースなどでは、暗号資産交換業の登録が必要になる場合があります。

一方、交換業者向けにシステムを提供する企業が自ら利用者の暗号資産を管理していないケースでは、交換業者と同じ登録制度の対象にならない場合があります。金融庁が検討している事前届出制は、こうした外部システム提供者の安全管理について行政が直接確認できる仕組みを整える狙いがあります。


暗号資産規制は金商法を軸に再設計へ

金融庁では、暗号資産をめぐる制度全体についても見直しが進められています。金融審議会では、暗号資産の売買などを金融商品取引法の枠組みで規律する方向が議論され、利用者財産の安全管理や不公正取引への対応などを強化する考えが示されています。

税制についても2026年度税制改正要望で暗号資産取引に係る課税の見直しが掲げられており、制度と税制の双方で議論が続いています。ただし、記事執筆時点では具体的な法改正や税制変更の内容が確定した段階にはありません。


交換業者だけを見る規制から供給網全体の管理へ

DMM Bitcoinの流出事件が示したのは、暗号資産を守る仕組みが一社のセキュリティ対策だけで完結しにくくなっていることです。ウォレットや通信システムなど複数の企業が関わる環境では、一つの委託先への侵入が大規模な資産流出につながる可能性があります。

事前届出制が導入されれば、暗号資産交換業者に対する監督を軸としながら、重要なシステムを担う外部事業者にも一定の安全管理が求められることになります。暗号資産市場の制度整備は、取引サービスそのものから、それを支える技術や委託関係まで視野に入れる段階へ進みつつあります。

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