
警告の対象は店頭デリバティブ取引の勧誘
関東財務局は2026年9月25日、暗号資産取引サービス「ZOOMEX(ズーメックス)」を提供するZoomex.comに対し、無登録で金融商品取引業を行っていたとして警告しました。金融庁も同日、同社を警告対象の業者一覧に掲載しています。関東財務局が指摘したのは、インターネットを通じた店頭デリバティブ取引の勧誘です。
ZOOMEXは日本語のヘルプページで、暗号資産の現物取引に加え、USDT建ての無期限契約やインバース無期限契約を案内しています。複数の商品に一つの取引アカウントからアクセスできる構成ですが、関東財務局の公表資料が挙げた行為は店頭デリバティブ取引の勧誘です。同じサービス内の商品でも適用される登録制度が異なることが、今回の警告を理解するうえで重要になります。
公表資料では、Zoomex.comの所在地または住所は「不明」とされました。金融庁のHTML版一覧では「国内」に区分されていますが、これは所在地不明の業者も同欄に分類するためです。拠点の所在にかかわらず、日本居住者に向けた金融商品取引の勧誘には、日本の登録制度が関わってきます。
現物とデリバティブ、同じサービスでも登録制度は異なる
暗号資産を用いた証拠金取引は、金融商品取引法上のデリバティブ取引に当たります。関東財務局は今回の公表に際し、これを扱う事業者には金融商品取引業の登録が必要だと注意を促しました。暗号資産の現物取引などを扱う暗号資産交換業とは対象となる業務が異なり、取引画面やアカウントが共通でも、商品ごとに適用される制度は変わります。
海外事業者であっても、日本居住者を相手に金融商品取引を業として行う場合には、原則として日本での登録が求められます。日本語でサービスを利用できることや、海外の許認可を示していることは、日本の金融商品取引業登録を意味しません。利用者はサービス名に加え、契約相手となる事業者と、利用する取引の種類を確かめる必要があります。
証拠金取引では、預けた資金より大きな額を取引できる反面、相場が急変すると保証金を上回る損失が生じるおそれがあります。関東財務局はこうしたリスクも示し、無登録業者からの勧誘に応じないよう呼びかけています。事業者の登録状況は、金融庁が公開する金融事業者の検索機能で調べられます。
Bitgetは警告後に日本向けサービスの終了を決定
海外の暗号資産取引サービスに対する同種の警告は、ZOOMEXが初めてではありません。関東財務局は2026年3月にKuCoin、2025年6月にはBitgetとMEXCのサービス提供業者にも、インターネットを通じた店頭デリバティブ取引の勧誘を理由に警告しました。現物とデリバティブを併設する海外サービスが、日本の利用者にどの取引を案内しているかは、継続して問われています。
その後の事業者対応が利用者にも影響する例として、Bitgetは2026年8月、日本の規制への対応を理由に日本居住者向けサービスの終了を発表しました。同月3日から新規登録を停止し、11月1日から既存アカウントに段階的な制限を適用すると案内しています。12月31日以降に残るポジションも強制決済の対象になるとしており、サービス終了に向けた変更は新規利用者にとどまりません。Bitgetと同じ対応をZOOMEXが取るとは限りませんが、警告後に事業者が示す方針は、既存の利用者にも関わります。ZOOMEXが日本居住者向けのデリバティブ取引や既存口座を今後どう扱うかが、次の焦点です。
公式発表:関東財務省

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