
コラボロッド2機種が対象、購入経路に条件
BSMOホールディングスは9月25日、Web3とバスフィッシングを組み合わせた「BCL(Blockchain Lures)」のオンラインストアで、対象商品の購入者に日本円建てステーブルコイン「JPYC」を還元すると発表しました。税込購入額の10%相当を利用者のウォレットへ送る仕組みです。同日ローンチしたリワードサービス「BITCOMMERCE」の最初の導入先として、BCLを選びました。
対象となるのは、釣具ブランド「tailwalk」とのコラボロッド2機種で、数量は限定されています。税込3万6,300円の「FULLRANGE C63MH BCL」を購入すると3,630 JPYC、税込3万5,200円の「FULLRANGE C63M/G BCL」では3,520 JPYCを受け取れます。BSMOは釣具購入に対するステーブルコイン還元を「業界初」と説明していますが、これは2026年9月時点の同社調べによる表現です。
還元を受けるには、BITCOMMERCEに登録してウォレットを接続し、同サービスを経由して対象商品を購入する必要があります。BCLストアへ直接アクセスした購入は対象外です。受け取ったJPYCは次回のBCLストアで使えますが、JPYCとクレジットカードなどを組み合わせた支払いには対応していません。購入時の還元条件と、JPYCを使う際の決済方法は、それぞれ確認が必要です。

BITCOMMERCEがローンチ、他のオンラインストアへの導入も想定
BITCOMMERCEは、オンラインストアでの購入に応じた特典を、事業者がステーブルコインなどで利用者に届けるためのサービスです。利用者はGoogleアカウントまたはApple IDで登録し、ウォレットを接続して対象商品を購入します。BCLで始まった還元にはJPYCを使いますが、10%という還元率はBCLの一部商品に設定された条件で、サービス全体に共通するものではありません。
BSMOがBITCOMMERCEの構想を公表したのは今年5月でした。当時は暗号資産やステーブルコインによる還元という方向性が示され、今回、BCLで対象商品と還元率を定めて正式にサービスを始めました。自社のオンラインストアでまず利用と運用を確かめ、その後、異なる分野の加盟店へ広げる計画です。
事業者向けには、既存のオンラインストアにプラグイン形式でリワード機能を接続する設計を示しています。商品代金の決済基盤を大きく作り直さずに、購入後の還元を追加する構想です。還元するJPYCは加盟店のウォレットから利用者のウォレットへ送ると説明しており、将来は他のステーブルコインや暗号資産への対応、加盟店がステーブルコインで代金を受け取る機能も予定しています。これらの拡張は、必要な法令対応や開発を経て進める方針です。
ポイント交換の先行例と異なる、購入時の直接還元
買い物で得た特典とJPYCをつなぐ取り組みには、先行例があります。ダイナースクラブは6月、カード利用で貯めたポイントをJPYCへ移行できるサービスを開始しました。利用者が獲得済みのポイントを交換する方式に対し、BCLでは対象商品の購入特典を最初からJPYCで受け取ります。どちらも買い物をJPYCとの接点にしますが、受け取りまでの流れには違いがあります。
BCLはこれまで、現物のルアーとNFTを組み合わせた商品や、釣果をブロックチェーン上に記録するアプリを展開してきました。釣りの道具や体験にデジタル上の記録を結び付けてきたブランドが、購入後の還元にもウォレットを使う形です。BSMOは9月にBCL事業を手掛けてきたブロックチェーンルアーズを吸収合併しており、自社で運営するストアをBITCOMMERCEの最初の導入先としました。
JPYCは資金決済法上の電子決済手段に当たる円建てステーブルコインで、日本円の預貯金と国債を裏付け資産としています。発行元のJPYC株式会社は2025年10月に発行・償還サービス「JPYC EX」を開始し、2026年9月18日時点の累計発行額は100億円を超えました。累計発行額はこれまでに発行した金額の合計で、その時点の流通残高を示す数字ではありません。
次の焦点は、還元後にJPYCが使われるか
BCLで受け取るJPYCは利用者のウォレットに届き、次回のBCLでの買い物に充てるほか、対応するサービスで保有・移転・利用できます。店舗独自のポイントより使い道が広がる可能性がある一方、還元を受けるまでにはBITCOMMERCEへの登録とウォレットの接続が必要です。利用者にとっての価値は還元率に加え、受け取った後の使いやすさにも左右されます。
BSMOは加盟店や対応資産の拡大を計画していますが、今回始まった施策はBCLの一部商品を対象とするJPYC還元です。購入者が受け取ったJPYCを次の買い物などで使い、事業者もこの還元を続けられるか。最初の導入例での利用状況が、BITCOMMERCEを他の商品や店舗へ広げるうえで注目されます。

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