WEB3業界動向

VisaとMeshが提携、暗号資産決済の導入を簡素化へ ウォレット事業者との接続拡大

サムネ


ウォレット残高を店頭・オンラインの支払いへ

暗号資産決済インフラを手がけるMeshは10月19日、Visaとの戦略的提携を発表しました。対応するウォレットやプラットフォームに保有する暗号資産、ステーブルコイン、法定通貨の残高を、店頭やオンラインでの支払いに使える仕組みを提供する方針です。Meshによると、接続先となるVisaの加盟店網は、200以上の国・地域の1億7,500万超の拠点に広がっています。

決済にはシステムの裏側で発行されるVisaの決済用認証情報を使い、Meshが資金の手当てと換算を担います。これにより、利用者は支払い前の売却や銀行口座への送金、専用カードへのチャージといった操作を省けるとしています。加盟店には通常のVisa決済として代金が支払われるため、既存の端末と決済手順で受け付けられる設計です。


先行サービスとの違いは事業者側の導入方法

暗号資産の残高をカード網につなぐサービスは、既に展開されています。Visaは2025年、Stripe傘下のBridgeとステーブルコイン連動型カードの発行製品を発表し、2026年3月には、18カ国で提供する対応カードを同年末までに100カ国超へ広げる計画を示しました。

Mastercard陣営でも、Consensysが2月に「MetaMask Card」の米国での一般提供開始を発表しています。同カードは、利用者が決済直前まで自身のウォレットで資産を管理でき、事前のチャージを省ける仕組みを採用しています。保有資産を買い物に使う際の操作を減らす方向性は、複数のサービスに共通しています。

こうした先行例に対し、Meshが打ち出すのは、ウォレットや取引プラットフォームが共通の接続基盤を通じて決済機能を導入する仕組みです。同社がプログラムマネージャーとして利用者登録や本人確認(KYC)を担うことで、参加企業はカード発行プログラムを自ら構築・運営する負担を抑えられるとしています。利用者向けの操作の簡素化に加え、サービスを提供する企業側の参入負担を下げる取り組みと位置付けられます。


決済利用の拡大を背景に、既存ネットワークとの連携が進む

背景には、ステーブルコインを実際の支払いへつなぐ利用の広がりがあります。Visaが10月1日に公表したデータによると、同社が支えるステーブルコイン連動型カードのプログラムは160超となり、これらの決済取扱高は前年同期比で約200%増加しました。2026年度の期初から集計時点までの取扱高では、法人・商用カードのプログラムが約17%を占めており、企業分野でも利用が進んでいます。

Meshも、PayPalが2025年7月に発表した「Pay with Crypto」で、外部ウォレットや取引所の資産を決済につなぐ接続・換算基盤を提供してきました。Visaとの提携は、こうした機能を店頭の非接触決済にも広げる計画であり、暗号資産の保有先と既存の加盟店網を結び付ける動きの延長線上にあります。


採用するウォレットの広がりが次の焦点

サービスの利用窓口は、参加するウォレットやプラットフォームとなります。Meshは、複数のウォレットに資産を持つ利用者が、対応する各サービスの残高から支払う形を想定しており、初期の提供時期、対応端末、参加プラットフォームは展開計画の確定に合わせて公表する方針です。1億7,500万超という加盟店網の規模に加え、利用者が日常的に使うサービスへの組み込みが、実際の利用機会を左右すると考えられます。

既存の暗号資産カードでも利便性の改善が進む中、今後はMeshの共通基盤がどこまで採用を広げられるかが注目されます。事業者が決済機能を導入しやすくなれば、普段使うアプリで資産の管理から支払いまで行える選択肢が増え、暗号資産を日常の決済に使う機会の拡大につながりそうです。


公式発表:Mesh

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