WEB3業界動向

Kaia、円建て資産でCR参加へ JPYCの流通拡大を継続利用につなげる狙い

サムネ


10月21日からJPYCの預け入れを貢献認定へ

Kaia DLT Foundationは10月14日、ネットワークへの貢献に応じてKAIAを配分する「Contribution Reward(CR)」に、日本円ステーブルコイン「JPYC」を追加すると発表しました。10月21日開始のEpoch 4から、UnifiへのJPYC預け入れが貢献認定の対象となり、従来のUSDTに加えて円建て資産でも参加できるようになります。適用開始はブロック高230,342,400、同日午前9時40分ごろを予定しています。

JPYCは5月にKaia上での発行が始まっており、今回の追加は、同チェーンで流通する円建て資産を預け入れやステーキングによる継続的な参加へつなげる動きと位置付けられます。財団が同日公開した運用報告では、CRの参加規模は拡大しているものの、認定資産額は制度の基準値を大きく下回っており、対象資産の拡大が参加を後押しするかが焦点となります。


発行・送金への対応から報酬制度への接続へ

JPYC株式会社は5月15日、発行・償還サービス「JPYC EX」のKaia対応を発表し、同月22日にはLINE NEXTが提供するWeb3ウォレット「Unifi」でのJPYC採用を公表しました。Kaiaの第2四半期報告によると、導入後5日未満で1億8,000万JPYC超が同チェーンに流入し、6月時点の流通量は4億2,000万JPYCを超えました。発行・償還に加え、LINEからアクセスできるウォレットへの対応が進み、利用者がJPYCを取得・管理する経路が整ってきました。

その後も、HashPortとの連携によるKaia上のJPYC・USDTの保有・送金対応や、ネットスターズとの基本合意に基づく店舗決済への展開が進められています。こうした利用環境の整備に対し、CRへの追加は資産の預け入れを評価する仕組みです。決済・送金の経路と報酬を伴う預け入れの経路を並行して広げる点に、Kaiaのステーブルコイン活用策の方向性が表れています。


認定TVLは約6割増、基準値に対する割合は2.34%

CRは、ガバナンス提案「GP-21」の承認を経て7月に運用が始まりました。ブロック報酬の10%をガバナンスカウンシル(GC)へ一律配分していた提案報酬(PR)を廃止し、実際の貢献に応じた配分へ移行した制度です。最初の「CR Mission 1」では、ステーブルコインの預け入れとKAIAステーキングの活性化を目標としています。

10月14日公開のEpoch 2運用報告によると、8月22日から9月21日までの平均認定TVLは116万8,662USDTとなり、Epoch 1の72万8,426USDTから約60%増加しました。認定を受けたウォレット数も、重複を除いて708件から829件に増えましたが、報酬計算の基準値である5,000万USDTに対する認定TVLの割合は2.34%で、財団は参加の活性化を最優先事項に挙げています。

認定TVLは、預け入れやステーキングの条件を満たし、報酬計算に反映された資産額を示します。チェーン上の流通量とは集計対象が異なるため、JPYCの流通拡大が、そのままCRの参加増を意味するわけではありません。今回の対象資産追加は、すでに整備されたJPYCの利用経路を、条件を満たす預け入れへ結び付ける施策として評価する必要があります。


参加にはKAIAステーキングが必要、認定額には為替も影響

JPYCの貢献認定には、Unifiへの預け入れと、原則として同一ウォレットでのKAIAステーキングが必要です。Kaia Portalで同じグループに登録したウォレット間でも資産を合算でき、JPYCはオンチェーンオラクル「Orakl」のEpoch平均価格でUSDT相当額へ換算されます。その金額に対し、1米ドル相当につき10 KAIAのステーキングを求める基準が適用され、Epoch 1〜3の預け入れ分は遡及認定の対象外となります。

円建て資産を選べる一方、認定額の計算には為替が影響します。同じ数量のJPYCでも、円安方向に動けばUSDT換算額が小さくなり、円高方向では換算額と必要なKAIA数量が増えます。また、貢献の判定には約10日間のPeriodごとの最低残高が用いられ、途中の追加預け入れは原則として次のPeriodから反映されます。報酬はKAIAで支払われ、精算後に6カ月かけて段階的に受け取り可能になるため、参加者には資産額と維持期間の両方を踏まえた利用が求められます。


未配分490万KAIAを焼却へ、参加実績と併せて評価

CRの月間予算は250万KAIAで、貢献に応じて配分されなかった分は焼却対象となります。Epoch 2では5万8,433 KAIAの配分が確定し、残る244万1,567 KAIAが未配分となりました。Epoch 1分と合わせた焼却予定数量は490万5,146 KAIAで、合計予算500万KAIAの約98.1%に相当します。財団はEpoch 1分を10月21日、Epoch 2分を11月21日に焼却する予定です。

JPYCには専用予算を設けず、USDTと共通の報酬枠を適用します。総認定TVLが基準値の5,000万USDT以下の範囲では、参加拡大に応じて配分総額が増え、未配分の焼却額が減る関係にあります。そのため、多額の焼却予定は未配分報酬の流通を抑える設計を示すと同時に、報酬予算に対する参加規模が小さいことも映しています。

財団は、アジア各地域のステーブルコインの利用を評価し、決済・精算ネットワークの拡大につなげる方針です。Epoch 4以降は、JPYCの追加が新たな参加者や預け入れを呼び込み、その利用が継続するかが注目されます。認定TVLと参加ウォレット数、報酬配分額を併せて追うことで、円建て資産へ対象を広げた効果が見えてきます。


公式発表:Kaia PR TIMES

Web3KaiaJPYCContributionRewardステーブルコイン日本円ステーブルコインUnifi

このニュースをシェア

コメント

0件のコメント
コメントがありません。