
日本で合弁会社、Meshが60%出資へ
SBIホールディングス、米Mesh Connect、マネーフォワードの3社は10月7日、デジタル資産の購入・移転・決済を円滑にするため、日本での合弁会社設立について基本合意したと発表しました。MeshのAPI接続技術にSBIグループの金融サービス基盤と規制対応の知見を組み合わせ、マネーフォワードが日本展開に向けた経営支援などに参画する計画です。
新会社の名称は「Mesh SBI Money Forward Network KK」で、資本金は1億円、出資比率はMesh60%、SBIグループ26%、マネーフォワード14%を予定しています。3社は最終契約の締結、必要な社内手続き、関係当局への対応などを前提に、2026年中の設立を目指すとしています。日本市場を主な対象に、取引所やウォレットの接続と利用手続きの簡素化を中心とするサービスの事業化を検討する方針です。
300超の取引所・ウォレットとの連携技術を活用
構想の背景には、デジタル資産を保有するサービスと、送金や支払いに使うサービスが分かれていることによる手続きの複雑さがあります。3社は、利用者や事業者が複数の取引所、ウォレット、決済サービスを個別に利用するため、アカウント接続や資産移転に負担が生じていると説明しています。
この課題に対し、Meshは異なるシステムを連携させるAPIを通じ、サービス間の接続をまとめる技術を提供しています。同社の公式サイトによると、事業者は単一の接続で300超のウォレットや取引所と連携し、自社アプリに資産移転や支払いの機能を組み込めます。日本の合弁事業では、この技術を活用したアカウント連携や送金に加え、暗号資産・ステーブルコインによる決済基盤、金融機関や企業向けのトークン化資産関連サービスも検討対象となります。
マネーフォワードの出資から約3年、共同事業へ
マネーフォワードとMeshの関係は、2023年の出資にさかのぼります。マネーフォワードは同年9月21日、MeshのシリーズAラウンドにリード投資家として出資すると発表しました。当時、出資の理由として挙げたのが、金融取引の指示や資金移動をリアルタイムで行える「更新系」APIの技術と、自社のSaaS・金融事業との相乗効果でした。
今回の合弁構想は、海外の技術企業への出資で築いた関係を、日本での共同事業へつなげる動きと捉えられます。資産情報を連携する技術に加え、実際の取引や資金移動を支えるMeshの技術を国内でどう活用するかという、出資当初からの関心が事業化の検討へ進む形です。SBIグループの参画により、金融サービス基盤と規制対応の知見を組み合わせて検討を進める体制となります。
USDC店舗決済の実証計画と、利用者側の接続
国内では、保有するデジタル資産を実際の買い物に利用する取り組みも進められてきました。SBI VCトレードとアプラスは2026年4月30日、大阪の「名代 宇奈とと」本町店と「ビックカメラ」なんば店の一部指定区画で、5月25日から29日までUSDCによる店舗決済の実証実験を行うと発表しています。
その計画では、利用者が店舗のQRコードを読み取り、自己管理型ウォレットからUSDCを送金すると、SBI VCトレードが日本円へ交換し、アプラスを通じて店舗へ入金する仕組みが示されました。利用者はデジタル資産で支払い、店舗は円で売上を受け取るという、双方の利用形態をつなぐ具体例です。
この事例と今回の構想を照らすと、決済の普及には、店舗側の受け取りとともに、利用者が保有資産を支払いへ移すまでの操作も重要だと考えられます。Meshの技術を国内サービスへ展開する意義は、複数の取引所やウォレットにある資産を、利用先へ円滑につなぐ点にあります。
国内サービスとの連携と使い勝手が焦点
3社は今後、具体的な事業の仕組み、技術要件、規制上の要件を検討するとしています。設立後はサービス間の接続を中心に事業化を探り、事業の進捗や規制環境を踏まえ、ステーブルコインやトークン化資産に関連する接続・決済領域への展開も検討する方針です。
今後注目されるのは、国内のどのサービスと連携し、利用者が普段使う取引所やウォレットから、どのような送金・決済サービスへ進めるようになるかです。接続先の拡大と操作の簡素化が進めば、事業者による機能の導入を支えながら、保有するデジタル資産を活用する選択肢が広がることが期待されます。
公式発表:SBIホールディングス

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