WEB3業界動向

【今週のWeb3業界ニュース】ステーブルコイン制度やトークン化が前進、BitMEXは取引所サービス終了へ

センチメンタルな岩狸

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サムネ


制度整備と実用化が進む一方、市場再編も鮮明に

今週のWeb3業界では、ステーブルコインやトークン化資産を既存の金融サービスへ組み込む動きが各国で進展しました。韓国ではウォン建てステーブルコインを巡る制度設計と民間企業の事業準備が並行して進み、米国でも暗号資産市場の監督体制を明確にする法整備が重要な局面を迎えています。

金融インフラの整備が前進する一方、暗号資産市場の黎明期を支えた取引所がサービス終了を決めるなど、業界再編を印象づける発表もありました。本記事では、2026年7月19日から25日までに発表され、WEB3ONでも取り上げたニュースの中から、今後の市場構造に影響を与える可能性が高い4つの動きを振り返ります。


韓国、ウォン建てステーブルコインの制度化へ動き加速

韓国では、ウォン建てステーブルコインの発行や流通を想定した制度整備が本格化しています。政府や国会が関連法案の検討を進めるなか、金融機関やITプラットフォーム企業も、制度導入後のサービス展開を見据えて提携や技術検証に乗り出しました。

今週は、KakaoグループとToss陣営がそれぞれUSDCを発行するCircleと協力覚書(MOU)を締結し、決済、精算、国際送金、デジタルウォレットなどへの活用を検討すると発表しました。両陣営はいずれも多くの利用者に日常的な金融・決済サービスを提供しているため、将来的にウォン建てステーブルコインが制度化された場合、既存のアプリや決済網へ接続される可能性があります。

韓国では、法制度の整備を待ってから企業が動き始めるのではなく、規制設計と事業準備が同時に進んでいます。発行主体や準備資産、利用者保護などの具体的な条件は今後の議論に委ねられるものの、大手プラットフォーム各社が参入に向けた基盤づくりを始めたことで、アジアのステーブルコイン市場を巡る競争はさらに活発になりそうです。

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米国、CLARITY法案を巡る議論が重要局面へ

米ホワイトハウスは、暗号資産市場の規制枠組みを定める「CLARITY法案」の成立を議会に求める姿勢を示しました。同法案は、デジタル資産の監督権限や事業者に適用するルールを整理し、米国で長年続いてきた規制上の不透明さを解消することを目的としています。

米国ではこれまで、暗号資産が証券に該当するのか、商品として扱われるのかによって、証券取引委員会(SEC)と商品先物取引委員会(CFTC)のどちらが監督を担うのかが明確でないケースがありました。そのため、取引所やトークン発行事業者は事業開始後に法執行の対象となる可能性を抱え、企業の海外移転や新規投資を促す要因にもなってきました。

CLARITY法案を巡る議論が進めば、事業者が事前に確認できる規制基準が整い、機関投資家や金融機関も暗号資産関連事業へ参入しやすくなる可能性があります。米国市場のルールはグローバル企業の事業戦略にも影響するため、今後の議会審議は米国内に限らず、世界のWeb3業界にとって重要な焦点となります。

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AlpacaJapanとBroadridge、トークン化株式に株主機能を実装

AlpacaJapanは、金融インフラ企業Broadridge Financial Solutionsとの提携を通じ、トークン化株式の保有者向けに議決権行使や開示情報の受領といった株主ガバナンス機能を提供すると発表しました。関連機能は、対応する証券会社を通じて提供される対象商品へ順次組み込まれます。

投資家はBroadridgeの「ProxyVote.com」を利用し、取締役の選任や役員報酬、企業買収など、株主総会で扱われる議案に対して意思を示せるようになります。企業からの通知や規制関連文書も受け取れるため、トークン化株式を保有する投資家が、従来の株式に近い形で株主権を行使できる環境が整います。

トークン化株式は、24時間取引や小口化、国境を越えた流通のしやすさが注目されてきましたが、本格的な普及には売買機能に加えて、配当や議決権、情報開示を含む権利処理の仕組みが欠かせません。今回の提携は、トークン化証券を単なるデジタル取引商品から、株主としての権利を伴う金融商品へ近づける取り組みとして位置づけられます。

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BitMEX、9月に取引所サービスを終了

暗号資産デリバティブ取引所BitMEXは、2026年9月に取引所サービスを終了すると発表しました。新規ユーザー登録はすでに停止しており、今後は取引機能や入出金などのサービスを段階的に終了する方針です。

BitMEXは2014年の創業後、高レバレッジの暗号資産デリバティブ取引を普及させた取引所として世界的な知名度を獲得し、市場の成長期には多くのトレーダーを集めました。しかし、その後はBinanceやBybit、OKXなどがデリバティブ取引を含む幅広いサービスを展開し、取引所間の競争環境は大きく変化しています。

さらに、現在の暗号資産取引所には流動性や取扱商品の充実に加え、各国の規制への対応、機関投資家向けサービス、地域ごとのライセンス取得など、複数の領域で事業基盤を整えることが求められます。BitMEXのサービス終了は、暗号資産市場の黎明期を支えた企業であっても、競争や規制の変化に適応できなければ事業継続が難しくなることを示す象徴的な出来事となりました。


制度構築と市場の世代交代が同時に進展

今週のニュースからは、Web3業界が技術の可能性を示す段階から、制度や既存インフラへ接続する段階へ移りつつあることが読み取れます。韓国ではステーブルコインの制度化を見据えて政府と民間企業が動き、米国では暗号資産市場の監督ルールを明確にする議論が進みました。さらに、トークン化株式の分野では、売買の効率化に加えて株主権の処理まで実装対象が広がっています。

その一方で、BitMEXのサービス終了は、暗号資産市場の成長を支えた既存事業者の再編が進んでいることを示しました。今後のWeb3企業には、新しい商品や技術を提供する力に加え、規制対応、既存金融との接続、利用者保護を含めた持続可能な運営体制を構築できるかが問われることになります。

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